聞き出す力:現場を知らなければ、始まらない。 聞き出す力:現場を知らなければ、始まらない。

「こんにちは!」
「お世話になっております!」

1階フロアに響く明るく大きな挨拶。しかも、フロアにいた皆がこちらを向いている。
野球部で叩きこまれた大きな声での挨拶なら負けないと思っていたのに。逆に機先を制されてしまった。
今年入社五年目を迎える児玉は、会社訪問で初めてイモト本店を訪れたときのことをこう振り返る。
「私もかなり気合を入れてオフィスへ足を踏み入れたのですが…。その気合いを上回る迫力でみなさんに挨拶してもらって。他の会社にはない明るさがありました。これは自分も負けてられないなと」

イモトに限らずスポーツ用品を扱う会社の社員には、学生時代をスポーツに捧げてきた者が多い。どこか部活動の延長のような温かみと礼節が共存している社内の雰囲気は、ひとことで言えば活気に満ちている。ただ、この社員たちのイキイキとした態度、上司と部下が分け隔てなく話し合う様子は同業他社にはないものだ。
もちろん児玉も、いまでは当たり前のように明るい声で来訪者を迎えるイモトの一員となっている。

イモトの役割はメーカーと販売店をつなぎ、そのどちらにも利益をもたらすこと。そのためには、双方からの信頼を得て、エンドユーザーが求める商品を提供し続けなければならない。ユーザーが求めているものは何なのかを徹底的に調べあげる。メーカーの視点ではすくい上げられないポイントにいち早く気付き、改善や提案をしていくことで商品の価値を高める。

たとえば、野球用品のバットに関してはこんな事例がある。
バットに求められる機能は、ボールを飛ばすこと。当然メーカーは飛ばすという機能向上に競って取り組む。その成果として作りだされた反発係数の高い飛ばせるバットを持って高校の野球部を訪れた際のことだ。
「どうですか!凄く飛ばせるバットですよ。こんなテクノロジーを使っていますよ。と説明させてもらうのですが…」(東京店 野原)
当のプレイヤーたちの反応はかんばしくない。話を聞いていくうちに、彼らが重視するのは「音」だということが分かった。
選手たちは、カキーンというイイ音が聞きたいんです。プレイヤーにとっては、ボールを飛ばせるという機能よりも、気持ちの良い音の出るバットの方が、つらい練習を耐え抜くモチベーションを維持してくれる。これは実際に声を聞かないと分からないことでした」(東京店 野原)

現場で耳にした声を直ちにメーカーに伝え、
新たな商品開発につなげてもらう。

そうやって生みだされる商品が店頭に並ぶことで販売店もユーザーのニーズを反映した商品展開ができる。

足しげく学校やクラブチームを訪れ、イモトだから発見できるニーズを掘り起こす。そのベースにあるのは、社員たちの「聞き出す力」
選手たちに近い目線で接し、自らのスポーツ経験と体育会系の親しみやすさを武器に、高いコミュニケーション能力で本音を聞き出す。
「商品の特長を説明したうえで、こんな機能も欲しいという要望も聞いています。選手たちは繊細ですから。ちょっとした感触や感覚のズレがプレーに大きく影響してくるんです。私が紹介した道具が、選手の支えや自信になってもらえるように」(大阪店 児玉)

選手たちから聞き出した説得力の高い情報をフィードバックすることでメーカーから信頼される。現場の声を反映した商品展開や販売方法を提案し、しっかり寄り添うことで販売店からの信頼も得られる。

現場にすべての答えがある。
イモトは取り扱う商品を現場から育てていく。